2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『友達100人できるかな』(4)

とよ田みのる『友達100人できるかな』の第4巻がいよいよ来週月曜に発売です。 友達100人できるかな(4) (アフタヌーンKC)作者: とよ田みのる出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/11/22メディア: コミック購入: 1人 クリック: 39回この商品を含むブログ (…

「自尊心の病に憑かれた」読者にアリョーシャは見えない(7)

さらにもうひとつ。 「それとそっくり同じことを、と言ってももうだいぶ前の話ですが、ある医者がわたしに語ってくれたものです」長老が言った。「もう年配の、文句なしに頭のいい人でしたがの。あなたと同じくらい率直に話してくれましたよ。もっとも、冗談…

「自尊心の病に憑かれた」読者にアリョーシャは見えない(6)

アリョーシャがどうやって自己に淫しているひとびとに接するのか? あたかも彼らが自己に淫していないかのように接します。彼は、彼らから、自己に淫していない彼ら自身を引き出します。彼は、自己に淫して苦しんでいた彼らがその苦しみを脱するとき、あたか…

「自尊心の病に憑かれた」読者にアリョーシャは見えない(5)

ちょっと前に引用した最先端=亀山郁夫の文章に、これがありました。 あらためて繰り返すことになるが、「第一の小説」においてアリョーシャは、必ずしも主人公と呼ぶことができるほど活躍しておらず、一種のトリックスター的な役割に甘んじている。その彼が…

「自尊心の病に憑かれた」読者にアリョーシャは見えない(4)

もうちょっとわかりやすいように、ここで私は「自尊心の病に憑かれた」ひとたちのことを強調してみます。「自尊心の病」の重症・軽症の程度は、彼らがどれほど自己にしがみついているか、どれほど自己にインしているかということでも測れるでしょう。「イン…

「自尊心の病に憑かれた」読者にアリョーシャは見えない(3)

小説『カラマーゾフの兄弟』において描かれているのは、人間が神の存在なしには生きていけないということです。人間は自分たちだけでなどやっていけません。神の存在を認める認めない、あるいは、神の創ったこの世界を認める認めないなどということの決定権…

「自尊心の病に憑かれた」読者にアリョーシャは見えない(2)

いってみたいことはいくつもあるんですが、アリョーシャが見えない読者、「自尊心の病に憑かれた」読者は、たとえばゾシマ長老に過剰な期待を寄せるんです。最先端=亀山郁夫の繰り返す文句「聖性」などがその典型です。ゾシマに「聖性」があったり、彼が「…

「自尊心の病に憑かれた」読者にアリョーシャは見えない(1)

萩原俊治氏の「こころなきみにも」における最先端=亀山郁夫批判をずっと ── 何度も、繰り返し ── 読んでいますが、最近までどうしてもわからないことがありました。 ドストエフスキーの読者には自明の事柄だが、ドストエフスキーの作品のプロット(諸事実の…

「些細なことながら、このようなニュアンスの違いの積み重ねによって読者は、少しずつ、しかし確実に原典から遠ざけられて行く。」

驚いたんですが、いま「google」で「亀山郁夫」と入力して検索すると、トップに表示されるのはこういうサイト群なんですね。 ○亀山郁夫 ── Wikipedia ○亀山郁夫とは ── はてなキーワード ○亀山郁夫の傲慢 ── こころなきみにも(萩原俊治) ○連絡船 ── 亀山郁…