2014-01-01から1年間の記事一覧

「名訳」だそうです。松岡正剛の読解力では。(2)

(この章は昨二〇一三年十二月七日に書き上げていたものです) 最先端=亀山郁夫訳を「どきどきしながら読める」「名訳」だといい切ってしまった松岡正剛、さらに、最先端=亀山郁夫訳『カラマーゾフの兄弟』全五巻を一冊ずつ紹介していきます。恥の上塗り。…

「名訳」だそうです。松岡正剛の読解力では。(1)

(この章は昨二〇一三年十二月七日に書き上げていたものです) 私は以前にこう書きました。 あなたの周りに亀山訳『カラマーゾフの兄弟』を読んだというひとがいたとしますね。そのひとが読んだものは、実は『カラマーゾフの兄弟』ではないのだと私はいいま…

最先端=亀山郁夫の「使命」とやら(4)

(この章のほとんどは昨二〇一三年六月までに書き上がっていて、放ったまま、ほぼ一年が過ぎ、このひと月くらいでいくらかの加筆をして、切り上げました) そうして、さらに恥の上塗り、それを相手にする小説家・辻原登との傑作対談。 亀山 『カラマーゾフの…

最先端=亀山郁夫の「使命」とやら(3)

(この章のほとんどは昨二〇一三年六月までに書き上がっていて、放ったまま、ほぼ一年が過ぎ、このひと月くらいでいくらかの加筆をして、切り上げました) 翻訳前と翻訳後で何か変わったことはありますか。 『カラマーゾフの兄弟』の翻訳をすることは、ロシ…

最先端=亀山郁夫の「使命」とやら(2)

(この章のほとんどは昨二〇一三年六月までに書き上がっていて、放ったまま、ほぼ一年が過ぎ、このひと月くらいでいくらかの加筆をして、切り上げました) 次は今年(二〇一三年)二月のある記事から。これには適宜突っ込みを入れながらの引用をします。 亀…

最先端=亀山郁夫の「使命」とやら(1)

(この章のほとんどは昨二〇一三年六月までに書き上がっていて、放ったまま、ほぼ一年が過ぎ、このひと月くらいでいくらかの加筆をして、切り上げました) 今年(二〇一三年)四月の産経新聞から、文章の全体を引用。 亀山郁夫(名古屋外国語大学長) 苦行の…

卑怯者=沼野充義の『これからどうする』(3)

(この章は昨二〇一三年十一月二十八日に書き上げていたものです) そうして、沼野充義はこう結びます。ただの「作文」です。全部他人事です。 しかし、考えてみると、「文学の危機」をめぐるこの種の言説はいまに始まったことではない。文学とは常に「〜の…

卑怯者=沼野充義の『これからどうする』(2)

(この章は昨二〇一三年十一月二十八日に書き上げていたものです) 「これからどうする」と問われても、正直なところ、何もどうにもならないのではないか、という無力感をぬぐい去ることができない。第一線の若手として頑張ってきたつもりが、気がつけばいつ…

卑怯者=沼野充義の『これからどうする』(1)

(この章は昨二〇一三年十一月二十八日に書き上げていたものです) では、次、沼野充義の文章 ── 「未来の世界文学の場を創る」。もちろん、こちらもいくつかに分割はしていますが、全文を引用しています。 「これからどうする」と問われても、正直なところ…

最先端=亀山郁夫の『これからどうする』(4)

(この章は昨二〇一三年十一月十八日に書き上げていたものです) しかし、驚くのはまだ早いです。最先端=亀山郁夫がこの後どうつづけてこの文章全体を結んでいるか? 問題は、私たち文学者が、いま欧米中心型の教養知の再生のために何ができるか、というこ…

最先端=亀山郁夫の『これからどうする』(3)

(この章は昨二〇一三年十一月十八日に書き上げていたものです) では、次。 教養が教養であるには、何より、それを共有することの価値が認識されなくてはならない。かりに、教養知のシンボルの一つとされるシェークスピアを読んだ経験があるとして、その話…

最先端=亀山郁夫の『これからどうする』(2)

(この章は昨二〇一三年十一月十八日に書き上げていたものです) さて、次。 今から約三年前(ということは、東日本大震災の前のことである)、日本とポルトガルの修好一五〇周年を祝う記念式典に招かれた私は、急ごしらえのスピーチでこんな話をしたことが…

最先端=亀山郁夫の『これからどうする』(1)

(この章は昨二〇一三年十一月十八日に書き上げていたものです) 岩波書店刊『これからどうする』(二〇一三年六月刊)収録の最先端=亀山郁夫のあまりに稚拙で愚劣な文章と、現ロシア文学会会長=沼野充義のあまりに狡猾な文章を批判します。ふたりの文章は…

「勇気や信念」としか、いまのところいいえないもの(4)

(この章は昨二〇一三年十一月十三日に書き上げていたものです) さて、この文章の表題にもした「勇気や信念」という言葉ですが、これはジム・キャリー主演、フランク・ダラボン監督の『マジェスティック』という映画の日本語字幕「勇気と信念(信念と、信念…

「勇気や信念」としか、いまのところいいえないもの(3)

(この章は昨二〇一三年十一月十三日に書き上げていたものです)********** この後、私は右に絡めて、昨二〇一二年九月に出版された『構造災』(松本三和夫 岩波新書)から長々と引用しているんですが、あまりに長すぎるので、多くをカットします…

「勇気や信念」としか、いまのところいいえないもの(2)

(この章は昨二〇一三年十一月十三日に書き上げていたものです) ここで、書きあげられなかった文章をいくらか修正しながら引用します。次の通りです。 ********** いや、以前にくらべると、この一連の文章に手をつけないでいる日がかなり増えまし…

「勇気や信念」としか、いまのところいいえないもの(1)

(この章は昨二〇一三年十一月十三日に書き上げていたものです) 二〇一〇年十一月の『「自尊心の病に憑かれた」読者にアリョーシャは見えない』から、まるまる三年間も私はこの最先端=亀山郁夫批判の文章をほとんど公開してきませんでしたが、公開しないだ…

この三年半ほどの間に書いた文章の公開を始めます

この次に公開する文章(昨二〇一三年十一月記)の冒頭はこうです。 二〇一〇年十一月の『「自尊心の病に憑かれた」読者にアリョーシャは見えない』から、まるまる三年間も私はこの最先端=亀山郁夫批判の文章をほとんど公開してきませんでしたが、公開しない…

Valentin Silvestrov

昨日届いたCDがValentin Silvestrovのこれで、Naive Musik Der Bote 2 Walzer 4 Stucke 2 Bagatelleアーティスト: V. Silvestrov出版社/メーカー: Grand Piano発売日: 2013/04/30メディア: CDこの商品を含むブログを見る そのなかの曲に…

老眼鏡の年

老眼鏡を買ったのは一昨年だったか、その前だったか、これまでほとんど使うことがなかった。眼鏡を掛け替えるのが面倒なのでもある。というか、掛け替えなくともある程度の文字は読めるというレヴェルの老眼だということなのか。しかし、掛け替えないと、や…