東京書籍の『10代をよりよく生きる読書案内 海外編』の編集者と電話で話をしました。先の記事を書いた夜、翌朝、また夜に、と私は東京書籍のホームページ上にある「お問い合わせ」から何度もメールを送信しようとしたのですが、いずれもエラーが出てしまったので、今日はもう電話をしたんです。
 担当編集者はやはり『カラマーゾフの兄弟』を読んだことがありませんでした。彼女によれば、こやま峰子は今回の執筆のために(あらためて、かどうかわかりません)『カラマーゾフの兄弟』を読んだそうです。
 ともあれ、私は彼女にメールのアドレスをきいて、以下を書き送りました。

東京書籍 **さま

電話でお話ししたように、こやま峰子さんは今回『カラマーゾフの兄弟』を読んでいません。おそらく数十年前に読んだきりで、今回のためには登場人物の名前の確認程度のことしかしていないと思います。ご本人に訊いてください。もし、そんなことはない、ちゃんと読んだという返事があっても、嘘です。ちゃんと読んで今回の原稿を書いたのだとしたら、こやま峰子さんは相当に低レヴェルのひとだと思います。このメールを転送されてもいいです。

**さんご自身がお読みでないことはわかっていました。読んでいたら、この原稿を通すはずがありませんから。
しかし、あなたがこの文章を読んで、それでいいと判断されたことについても大きい疑問を感じます。

**さんの周りの方で、『カラマーゾフの兄弟』を読んだことのある方たちに、こやまさんの文章を読んでもらってください。その方たちの感想を教えてください。職場の方でなくてもかまいません。ご友人でもいいです。

私はこやまさんの文章のうち、どこが誤りであるかを書きません。そちらで検証してください。

また、この本には、こやまさん以外に何人かの方が執筆されていますね。その方たちにも訊いてみてください。彼らにも責任があると思います。彼らが『カラマーゾフの兄弟』を読んだことがあるかどうか。読んでいるにしても、いないにしても、こやまさんの文章(「メッセージ」を含めての内容と文章そのもの)をどう思うか。

**さんの上司の方にもこのメールを見せてください。そうして、出版社としてこれをどう考えるのか、お聞かせください。

それから、『カラマーゾフの兄弟』を誰かに薦める場合に、亀山郁夫訳(光文社)をあげるのは間違いです。私は、もうこのほぼ二年をかけて亀山郁夫訳『カラマーゾフの兄弟』がいかにひどいかを書きつづけている者です。文庫のページ数に換算すると、すでに1000ページほどの分量を書いています。

http://www.kinoshitakazuo.com/

上記ホームページに先行して、ブログも書いています。
すでにこういう記事を書きました(http://d.hatena.ne.jp/kinoshitakazuo/20100401)。

**さんとのやりとりも書くつもりでいます。

お返事をお待ちします。

木下和郎