2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「自尊心の病に憑かれた」辻原登にアリョーシャは見えない

二〇一七年二月、『辻原登の「カラマーゾフ」新論 ドストエフスキー連続講義』が出た。発行は亀山郁夫訳『カラマーゾフの兄弟』の光文社。本の帯には「小説家だからこそ見抜ける“不朽の名作”の真実! 文学講義の名手が贈る4つのレクチャー」とある。「Lectu…

『ウォールフラワー』

『ウォールフラワー』 スティーブン・チョボスキーの『ウォールフラワー』をゆっくりと再読した。前に読んだときもよいと思ったが、今回もよいと思った。 もともとはこれの映画を見て、そこでデヴィッド・ボウイの「Heroes」が特別な使われかたをしていたの…

再開

再開 ようやくまた何かしらが書けるようになった。このことに気づいたのは十二月十二日で、道を歩いていて岩波文庫の『講演集 リヒァルト・ヴァーグナーの苦悩と偉大』(トーマス・マン)を思い出し、この本について昔「自分が停滞したと感じたときに読み返…